動画配信あるある専門用語集2~トレンド編~

入門

ここまでの記事で動画広告、テレビを利用した動画視聴、収益モデルについて、昨今の動画配信のトレンドをお伝えしました。

各記事内でもいくつか専門用語は補足しましたが、それでも見慣れない用語もあったのではないでしょうか。

記事内容の理解をより深めるためにここまでのおさらいも兼ねてもう一度、動画配信に係る専門用語の整理と解説をしていきます。

1. 動画広告の専門用語

インストリーム広告

オンデマンド配信またはライブ配信される動画コンテンツの任意の位置に挿入される動画広告を指します。

動画コンテンツの先頭に挿入される場合はプリロール広告、途中に挿入される場合はミッドロール広告、終端に挿入される場合はポストロール広告と呼ばれます。多くの場合、動画広告の再生中にはシーク操作が制限され、関連するWebサイトへ遷移するためのボタンやスキップのカウントダウンまたはスキップボタンが表示されます。

SSAI

Server-Side Ad Insertionの頭文字を取った略称で、サーバー側で動画コンテンツに動画広告を挿入してから視聴者に配信する方式を指します。

主にライブ配信に適用されます。
動画コンテンツと「インストリーム広告」がシームレスに接続されるため、広告ブロッカーに検知されにくく、動画プレイヤーに特殊な機能を必要としないという特長を持ちます。

CSAI

Client-Side Ad Insertionの頭文字を取った略称で、動画コンテンツとは別のサーバーから配信される動画広告をクライアント側で再生時に挿入する方式を指します。

オンデマンド配信とライブ配信の両方に適用可能です。
「インストリーム広告」が動画プレイヤーによって処理されるため、広告表示中のUI/UX制御の自由度が高く、既存のCDNや動画広告サーバーとの相互運用性が高いという特長を持ちます。

VPAID

動画プレイヤーとインタラクティブ動画広告の連携のためのインターフェース仕様です。

動画ファイルのみによる単純な動画広告に、視聴者の操作に応じた動きの変化など、リッチでインタラクティブな要素を追加することを目的に策定されました。
近年配信されている多くのインタラクティブ動画広告に利用されていますが、2018年に公開されたVAST 4.1規格に盛り込まれた同様の目的の別の仕様への移行を進めることで、将来は廃止されることが発表されました。
VPAIDは、Video Player-Ad Interface Definitionの頭文字を取った略称で、日本では「ブイペイド」または「ブイピーエイド」と呼ばれます。

VAST

動画広告サーバーと動画プレイヤーの相互運用を目的に策定された動画広告配信の標準規格です。

Google・Adobeなどの大手企業のソリューションに採用され急速に普及したことが、「AVOD」市場成長の背景の一つとなっています。
2019年には最新のVAST 4.2規格が公開されています。
VASTは、Video Ad Serving Templateの頭文字を取った略称で、日本では「バスト」と呼ばれます。

ターゲティング

動画広告配信において、視聴者の行動履歴や時間帯、地域、さらには年齢層や性別に基づくセグメントなどの属性により、視聴者にとって適切な動画広告を選定すること、または選定して配信することを指します。

視聴者と広告主の両方にメリットがあるターゲティングの機能は、「AVOD」で活用されています。

トラッキング

動画広告配信において、表示された広告が最後まで見られた、途中でスキップされた、関連する商品のページへ遷移した、その結果商品を購入した、などの視聴者の行動を追跡し、データとして集積することを指します。

集積されたデータは詳細にレポート化され、「AVOD」などで広告の効果測定に利用されています。

2. デバイスの専門用語

TVデバイス

「Chromecast」・「Apple TV」・「Fire TV」など、テレビに接続して動画配信サービスを受信するためのデバイスを指し、その形状から「STB」と呼ばれるボックス型とテレビに直接挿し込むタイプのスティック型に分類されます。

近年では、PC・スマートフォン・タブレットに並び、TVデバイスに対応する動画配信サービスも数多くリリースされています。

STB

ボックス型の「TVデバイス」です。

STBとは、Set-Top Boxの略称で、ブラウン管テレビが主流だった時代にテレビの上に置くことが一般的だったため、このような呼び方になりました。

Chromecast

Googleにより提供されるスティック型または類似する形態の「TVデバイス」です。

2013年に第1世代が発売され、2018年には最新モデルの第3世代が発売されました。
Google Play Movieに対応し、機能面では、使い慣れたスマートフォンからの操作やGoogle Homeによる音声操作が可能であることなどの特長を持ちます。

Apple TV

Appleにより提供されるボックス型の「TVデバイス」です。

2007年に第1世代が発売され、2017年には最新モデルの第5世代が発売されました。
2019年11月に登場のApple TV+に対応し、機能面では、Siri Remoteと呼ばれるリモコンの音声とタッチパッドによる操作やAir PlayによるiPhone・iPadとの連携が可能であることなどの特長を持ちます。

Fire TV

Amazonにより提供されるスティック型またはボックス型の「TVデバイス」です。

2014年に第1世代が発売され、2018年には最新モデルの第3世代が発売されました。
Amazon Prime Videoに対応し、機能面では、音声アシスタントのAlexaを搭載するリモコン、Amazon echoデバイスやスマートフォンのAlexaアプリとの連携による音声操作に対応することなどの特長を持ちます。

3. 収益モデルの専門用語

PPV

Pay per Viewの頭文字を取った略称で、動画コンテンツを視聴する分のみ料金を支払う課金方式を指します。

主に「TVOD」「EST」の2種類のモデルに分類され、単体で十分な訴求力を持つキラーコンテンツや、劇場公開から間もない新作コンテンツに設定されることが多い課金方式です。

TVOD

Transactional Video on Demandの頭文字を取った略称で、日本語ではレンタル型動画配信などと呼ばれます。視聴したい動画コンテンツに対してレンタル代として料金を支払うことで、指定された一定の期間のみ視聴できるサービスです。

収入が視聴者の動向に左右され易いなど単独で安定した収益の維持が難しいといわれていますが、商品を柔軟に構成できる特長を生かして、「SVOD」や多チャンネル放送などの定額制サービスへの加入促進やサービスのブランド力向上のために多くのサービス提供企業により採用されています。

EST

Electronic Sell Throughの頭文字を取った略称で、日本語では動画配信販売や視聴権販売型動画配信などと呼ばれます。購入した動画コンテンツが端末にダウンロードされ、その後いつでも視聴できるサービスです。

ESTの動画コンテンツの相場は「TVOD」の場合の数倍程度と高価であるにもかかわらず、「ダウンロード配信」の特性を生かした高画質な動画コンテンツの視聴や、パッケージメディアの代替として無期限に動画コンテンツを楽しめる安心感などを強みとして、着実に視聴者へ浸透してきています。

SVOD

Subscription Video on Demandの頭文字を取った略称で、日本語では定額制動画配信などと呼ばれます。月額など一定の料金を支払うことで動画コンテンツを好きなだけ視聴できるサービスです。

安心して様々なジャンルの大量の動画コンテンツやサービスオリジナルの動画コンテンツを楽しめることなどをその特長として本格的に発達し、今後も動画配信市場全体を牽引することは間違いないと見込まれています。

AVOD

Advertising Video on Demandの頭文字を取った略称で、日本語では広告付動画配信などと呼ばれます。再生前や再生途中などに広告を表示することで、動画コンテンツを無料で視聴できるサービスです。

従来の民法テレビの収益モデルに視聴者のターゲティングやトラッキングなどの動画配信に特有の付加機能を組み合わせたAVODは、テレビ番組の「キャッチアップサービス」だけでなく、動画共有サービス・SNSなどのインターネットメディアでも積極的に採用され、その市場は既存メディアを脅かす勢いで急速にそして継続的に成長しています。

デジタルコピー

DVDやブルーレイで購入した映像コンテンツをパソコンやスマートフォンなどでも視聴できるサービスです。

映像コンテンツのパッケージに付属する『○○コード』などと呼ばれるシリアル番号を対応するデジタルコピーサービスのサイトで入力することで、デジタルコピーへのアクセスが可能になります。
視聴権を購入した映像コンテンツをいつでも・どこでも楽しめるという付加価値による従来のパッケージメディアの販売促進などを目的として提供されています。

キャッチアップサービス

見逃し配信とも呼ばれる、テレビ番組の放送直後にその番組をオンデマンド配信するサービスです。

放送後間もない訴求力の強いコンテンツが次々と公開されるため、番組放送時に視聴できない視聴者やテレビコンテンツへの接触が少ない視聴者に対しても訴求することができます。その特性を生かして、より多くの広告枠や会員を継続的に確保することが重要な「AVOD」や「SVOD」といった収益モデルが採用されています。

リリースウィンドウ

映画等の映像コンテンツの劇場での公開からDVDやブルーレイなどのパッケージメディアとして販売開始、動画配信サービスで公開、またはテレビで放送されるまでの期間を指します。

単にウィンドウと呼ばれる場合もあります。
リリースウィンドウは、提供元の販売戦略に基づき、映像コンテンツごと、販売や公開の形態ごとに個別に決定されますが、その平均値は年々短縮されています。

4. 機能の専門用語

タイムシフト視聴

ライブ配信される動画コンテンツを一時停止またはシークバックすることで、過去に遡って視聴することを指します。

追いかけ再生と呼ばれる場合もあります。
Webセミナーやイベント等のライブ配信でしばしば利用されています。

ダウンロード配信

動画を再生する際に動画データの必要な部分をプレイヤーが適宜取得する『ストリーミング配信』に対して、後ほどオフラインでも再生できるように予め動画データ全体を端末にダウンロードさせる配信方式を指します。

「EST」のサービスを中心に利用されています。

倍速再生

視聴者が再生速度を任意に選択することで、1.0倍速以外の速度で動画を再生することを指します。

音声が聞き取れる範囲での速視聴やスロー再生の用途で利用されます。

バックグラウンド再生

動画プレイヤーアプリや音声プレイヤーアプリが、別アプリを起動した場合や端末をスリープモードにした場合に、バックグラウンドで音声のみを再生することを指します。

音声を聞きながら別アプリを操作する、スマートフォンをポケットに入れて音楽を聴くなどの『ながら聞き』の用途で利用されています。

チャプタリング

動画再生時に頭出しボタンやチャプターリストによりチャプターの先頭に即時にシークできるよう、動画内に予め区切り位置を設定すること、またはその機能を指します。

DVDやブルーレイは標準機能として対応していますが、動画配信でも利用されるシーンが増えています。

しおり機能

動画の再生を中断した際に、次回その位置から再生を再開できるよう、中断した位置を記憶する機能を指します。

移動時にはスマートフォンで視聴し在宅時にはその続きをパソコンで視聴するなど、デバイスを跨いだ再生の継続に対応する場合もあります。
レジューム再生機能とも呼ばれ、多くの動画配信サービスで利用されています。

5. 正しい意味を理解することが動画配信への理解に

本記事の解説を経て、何か新しい発見はありましたでしょうか?

私にとっては、特に英語やカタカナの専門用語はその表記から意味を察することが難しく、正しい意味を理解することが動画配信への理解を深めるポイントのひとつになっています。

「なんとなく知っていた用語の意味を再認識できた」「単に用語の意味だけではなく特長も理解できた」「こういった用語で呼ぶことを初めて知った」など、少しでも読者のみなさんのお役に立てたなら幸いです。

また、今回整理した専門用語は、以下の記事から抜粋しています。お時間のあるときに、ぜひ読み返してみてはいかがでしょうか。

▼詳しくは…

Author
おむらいす

マーケティング・セールス部所属。
聞き慣れないカタカナやalphabetの専門用語に頭を悩ませながら働く中、ある日突然、ブログ運営を任命された新米編集長。
運営とあわせて絶賛業界勉強中、かつ業界に詳しくない人にも分かりやすいブログを目指して奮闘中。

2018年=入社。初の動画配信プラットフォーム業界入り。
2019年=少しずつ。専門用語や動画配信にかかわる機能や仕組みを覚え始める。

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