企業の情報発信をオンライン化!動画配信導入のいろは

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昨今のテレワークの普及や、新しい生活様式によるオンライン化の進行に伴い、社員研修や社内行事、株主総会や決算説明会などのIR、プロモーション、採用など、情報発信の手段として動画配信を活用する企業が増えています。
本記事では、企業での導入事例を交えながら、動画配信をスムーズに導入するためのノウハウを解説していきます。

1. 動画配信導入までの流れ

「社員研修を動画でやることになった」「決算説明会をライブ配信したい」…いざ、会社で動画配信を始めようとした場合、どういった準備や手順が必要なのでしょうか?
一般的な動画配信プラットフォームを利用した場合の準備から配信までの流れを紹介します。

(1)動画配信に必要な要件の整理

さて、社内で動画配信の実施が決定したら、準備に入る前に検討・確認しておきたいポイントがいくつかあります。
以下のポイントを中心に、動画配信に必要な要件を整理します。

・「VOD配信か、ライブ配信か、両方必要か」
・「いつ、どんな動画を、どういった方を対象に配信するのか」
 (例…社員研修動画を社内配信、決算説明会を視聴者限定でライブ配信、商品PR動画をホームページで一般に公開、etc.)
・「どのサイトで動画を配信するのか」
・配信の規模=動画の尺の長さや本数、視聴者数など

動画配信の要件整理例

(2)動画コンテンツの準備

要件が固まったら、次は動画コンテンツの準備です。

・VOD配信の場合
例えば、社内向けの研修動画やマニュアル動画、社外向けの商品PR動画、会社説明会等の採用コンテンツ動画など、予め収録した動画コンテンツの完パケ(※)を準備します。

※完パケとは…撮影後、不要なシーンをカットして尺の長さを調整したり、テロップを入れたり、BGMや効果音を入れるなど、必要に応じて編集を加え、そのまま公開できる状態にした動画コンテンツを指します。

既に撮影した動画コンテンツをそのまま使う場合は改めて撮影する必要はありませんが、新たに制作する場合は撮影・編集等が必要になります。

・ライブ配信の場合
例えば、社内行事や社員集会、決算発表会や株主総会、商品発表会等のPRイベントなどをライブ配信する場合、イベントや議事の進行を事前に確認し、1台のカメラの映像をずっと流すのか、登壇者とスライドの映像を切り替える場合はそのタイミングなど、カメラワークや演出のシナリオを決めておきます。
また、ライブ配信の会場(無観客で行なう場合はスタジオや会議室などの撮影場所)の手配や、カメラなどの撮影機材、ライブエンコーダー(※)、インターネット回線など、ライブ配信に必要な機材や環境の準備も必要になります。

※ライブエンコーダーとは…映像信号や音声信号を、インターネットでライブ配信するためのライブストリームに変換する装置を指します。

シンプルな撮影であれば、PCやスマートフォンのカメラを使って自社で行なうことも可能ですが、複数台のカメラのスイッチングやプロクオリティの撮影・演出を希望される場合は、ライブ配信運用のプロフェッショナルに相談されることをおすすめします。

▼あわせて読みたい「運用代行?ライブ配信運用のプロができること」

(3)動画の設置先Webページの準備

動画をWebページ上に設置する場合は、Webページを準備します。(動画の視聴ページのURLを発行してメール等で視聴者に告知する場合、Webページの準備は不要です。)

既存のWebページに動画を設置する場合、社内ポータルサイトに設置して社員限定配信する、ホームページでCMギャラリーを公開するなど、どのページのどこに動画を設置するか、用途に合わせて設置先を決めます。
既存のWebページ以外に動画を設置する場合は、特設ページなどを新たに作成します。視聴者限定で配信する場合は、ID・パスワードによる認証機能を導入したり、Webページに簡易なパスワードを設定するなどの方法があります。動画配信プラットフォームの中には、視聴者限定配信機能も合わせて提供するサービスもありますので、自社での対応が難しい場合は相談されてみてはいかがでしょうか。

(4)動画配信のための事前設定

ここから先は、いよいよ動画配信プラットフォームを使った設定や運用のステップです。

VOD配信・ライブ配信、いずれの場合も、動画配信プラットフォームの管理画面から、配信時の動画の品質(解像度やビットレートなど)、動画プレイヤーの見た目や動作、セキュリティ(自社のWebサイト以外での視聴制限等)などを事前に設定します。

これに加え、ライブ配信の場合は、配信時の動画の品質に直接関わる撮影機材やライブエンコーダーなどの設定も予め決めておきます。

(5)動画の公開と配信

事前設定が終わったら、動画を公開しましょう。

動画の公開には、大きく二つの方法があります。
一つは、Webページへ動画プレイヤーを設置する(埋め込む)方法で、「プレイヤータグ」という、動画プレイヤーを表示するためのプログラムを使います。一般的な動画配信プラットフォームでは、管理画面から簡単な操作でプレイヤータグを発行することができ、そのままコピーしてWebページに貼り付けるだけで手軽に動画の公開が可能です。
もう一方は、「動画URL」などと呼ばれる、動画プレイヤーが設置されたWebページのURLを発行する方法です。この場合には、そのURLをメールやSNSで直接視聴者に伝えたり、既存のWebサイトにURLのリンクを貼ることで動画の公開が可能です。
さあ、あとは視聴者が動画にアクセスすれば配信が開始されます。

・VOD配信の場合
動画の公開作業の前に、予め動画配信プラットフォームに動画コンテンツを登録しておく必要があります。
動画コンテンツの登録後、プレイヤータグによるWebページへの動画設置、または動画URLの発行、いずれかの方法で動画を公開します。

・ライブ配信の場合
ライブ配信の場合には、動画の公開に合わせてライブストリームを送出します。
配信開始前に、プレイヤータグによるWebページへの動画設置、または動画URLの発行、いずれかの方法で動画を公開し、予定された時間になったらイベント会場からライブ映像を送り出しましょう。

動画の公開について

(6)動画配信後の視聴ログ分析

動画配信プラットフォームを利用すれば、配信した動画コンテンツについて、様々な視聴ログの分析が可能です。

例えば、社員研修であれば社員IDごとの受講履歴を管理したり、商品PR動画であればコンテンツのアクセスランキングを分析して販促活動に活かしたりと、活用方法は様々です。
一般的なWebサイトのアクセスログ分析にはない動画配信の視聴ログ分析に特有の機能として、動画コンテンツの再生位置に対する視聴数の推移(何人の人がどこを見たか)をグラフで視覚的に確認できるツールを備えた動画配信プラットフォームもあります。活用例としては、例えば会社説明会など、長尺のコンテンツにおいて、視聴者(会社説明会の場合は学生)がどの部分に興味を持って見たかを調べることにより、コンテンツの改善に役立てたりすることができます。

また、ライブ配信にはコンテンツに対する同時接続数をリアルタイムにレポートする機能が付属する場合が多く、例えばPRイベントなどの効果をその場で測定することもできます。

2. 動画配信プラットフォーム選びのポイント

ここまで、一般的な動画配信プラットフォームを利用した場合の準備から配信までの流れを紹介してきましたが、動画配信プラットフォームには法人向けの機能が充実した有料のサービスと、YouTubeなどの手軽な無料のサービスがあります。ここではそれぞれの特長を挙げながら、企業の動画配信において具体的にどんなシーンで有効なのかを合わせて解説していきますので、システム選定の参考にご活用ください。

有料動画配信プラットフォームの特長

・機密性の高い情報を含む動画配信に向いている

多くの有料プラットフォームはドメイン制限(指定したWebサイト以外では視聴できない設定)に対応しており、会員管理機能と連携して限定した視聴者に動画を配信することが可能です。
また、動画の暗号化や配信の有効期間設定にも対応し、情報漏洩に対する対策も取られている場合がほとんどです。

このため、例えば社外秘や従業員の個人情報を含む可能性のある社員研修や社内行事などの社内への情報発信や、株主のみ、投資家やアナリストのみといった株主総会や決算説明会などの社外への情報発信においても、限定した視聴者に配信したい場合に便利です。

・システム連携やカスタマイズがしやすい
有料プラットフォームは無料プラットフォームと比べて外部のシステムやデータと連携がしやすいものが多いので、例えば社員ID情報と連携して社員研修や社内行事の視聴履歴を管理する場合などに便利です。
また、動画プレイヤーの見た目や動作もカスタマイズしやすいため、例えば商品PR動画配信用にシンプルな自動再生プレイヤーを設定するなどの使い方が可能です。

・他社の広告や関連動画が表示されない
YouTubeなどの無料プラットフォームでは他社の広告が入ったり、関連動画が表示されたりすることがありますが、有料プラットフォームでは自社サイト内で完結する配信が可能なので、オウンドメディアとして最適です。
例えば、社内利用やホームページのCMギャラリーなど、他社の広告を入れたくない場合に有効です。

・手厚いサポートが受けられる
通常、有料プラットフォームには専用のサポート窓口が開設されているため、動画配信が初めてで操作や設定が分からない場合も安心です。また、導入時にコンサルティングを受けられる場合が多いので、動画配信に関する疑問や不安を相談したり、自社の要件に合わせて最適な方法を提案してもらえるメリットもあります。
さらに、ライブ配信運用や撮影・収録までトータルでサポートしているサービスもあるので、大規模な社内外イベントのライブ配信などの場合には、こうしたサービスの利用を検討するのも有効です。

無料動画配信プラットフォームの特長

ここでは、YouTubeやVimeoなどの無料で利用できる動画配信サービスや、InstagramやFacebook・TwitterなどのSNSに付属する動画共有サービスといった「無料動画配信プラットフォーム」の特長を見ていきます。

・手軽に始められる
まず、「無料であること」が最大の特長です。
コスト面でのメリットはもちろんのこと、社内で新たに動画配信を導入する際、初めから有料のサービスを利用するのはハードルが高い場合にも、無料のプラットフォームであればスモールスタートが可能なので、試験的に導入することもできます。
また、使い方について汎用的な情報が流通していることも無料プラットフォームの魅力のひとつです。有料サービスのような手厚いサポート体制や詳細なカスタマイズ機能がない代わりに、インターネットで簡単に使い方を調べられたり、使い方自体がシンプルで分かりやすいことが多いです。

・配信した動画が拡散されやすい
YouTubeやSNSなどで動画配信する場合、プラットフォーム自体のユーザー数が多く、ユーザーからユーザーへの情報の共有や拡散が活発で、配信した動画が拡散されやすいため、コンシューマーへの情報発信に向いています。
このため、動画を添付したプレスリリースやSNSを利用した動画プロモーションなどの用途で、無料プラットフォームが多く採用されています。

有料プラットフォームと無料プラットフォームの比較まとめ

ここまで、有料プラットフォームと無料プラットフォーム、それぞれの特長を見てきました。有料プラットフォームはセキュリティやサポートなどの法人向けの機能が充実している一方、無料プラットフォームは手軽に始められて情報を拡散したい場合に便利なので、用途に合わせて利用するプラットフォームを選ぶのが良いでしょう。

▼あわせて読みたい「動画配信プラットフォームとは?知っておくべき基礎知識と有料版・無料版の違い」

3. 有料動画配信プラットフォームの費用

さて、前章では有料動画配信プラットフォームは法人向けの機能が充実していることを見てきましたが、気になる費用は大体どのぐらい掛かるのでしょうか?

料金体系

多くの有料プラットフォームの料金体系は月額制で、固定費部分と従量費部分に分かれています。
固定費部分の中心となるのは、動画コンテンツの管理・配信・再生・視聴分析等の基本的な機能に係るシステム利用料で、毎月一定の金額でサービスが提供されます。
一方、従量費部分は、配信ファイルのデータ転送量(配信流量)や同時視聴数、配信ファイルの蓄積データサイズ(データ容量)やアップロードする動画の容量などで構成され、利用量に応じて金額が変わる料金体系になっています。
これらの従量費部分については、ある一定の利用量(コミット値)に達するまでは定額で、超過分については追加料金が発生するプランが多いです。(例えば「1TBまでは●●円、1TBを超える部分については▲円/GB」といった料金プランです。)
携帯電話のパケット通信料をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

料金体系イメージ

利用料の目安

継続利用(月額契約)の場合、シンプルなライブ配信やVOD配信のパッケージなら、月額数万円から用意されている場合が多いです。これをベースに必要な機能をオプションとして追加することで、それに応じて利用料金が加算されます。
また、サービスによってはスポット利用(短期契約)のプランが用意されている場合もあり、月額契約よりも1回あたりの料金は割高になる傾向がありますが、イベント時だけ利用したい場合などにはこちらの方が比較的リーズナブルです。金額の目安としては月額契約の2~3倍が相場となるようです。

オプションで撮影や配信などのオペレーション(ライブ配信運用)を委託する場合、内容によって数十万円単位の幅がありますが、固定カメラ1台のシンプルな撮影であれば1回数万円程度から用意されていることが多いです。

* * *

動画配信導入のイメージは掴んでいただけたでしょうか?
一般的な動画配信プラットフォームなら申し込みから数日で(早いものでは当日)利用可能なものが多く、動画の管理・配信・再生・視聴分析など、動画配信に必要な機能が初めから揃っているので、必要な時、すぐに動画配信を始めることができます。
企業の情報発信や社内コミュニケーションにおいて、迅速なオンライン化が求められる昨今ですが、ぜひ動画配信プラットフォームを活用して、タイムリーにオンライン化を実現しましょう。

▼あわせて読みたい「動画で業務効率化!企業における動画配信の活用事例」

Author
コタツミカン

マーケティング・セールス部所属。
管理部門所属の経理担当から、思いがけず、動画配信プラットフォーム事業のマーケターに転身。
動画配信プラットフォームって何かしら!?からスタートして、動画配信業界やインバウンドマーケティングについて日々勉強中。
長年にわたる経理担当の経験を活かしたデータ分析力が強みです:)

2019年=管理部門からマーケティング・セールス部に移籍。少しずつ、SNSやメルマガ記事を書き、Webコンテンツを作り始める。
2020年=ついにブログ記者デビュー。

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