セキュリティが心配!動画コンテンツの保護とは?

入門

昨今の情勢の変化に伴い、動画配信を新しく始める、または今まで以上に利用を増やす企業が増えてきています。

そんな中でよく耳にするのが、動画コンテンツの保護を目的としたセキュリティ対策について心配する声です。企業の大切な動画コンテンツを、不正なダウンロードや拡散から守りたいのは当然のことですよね。

では、有料動画配信プラットフォームが対応可能な動画コンテンツの保護とは、一体何があるのでしょうか?どのような動画コンテンツが、どのような方法で保護されているのでしょうか?

今回は、そんな疑問にお答えします。

1. 動画コンテンツ保護といえば

読者の皆さんの中にも、動画コンテンツ保護について調べる過程で「DRM」という言葉に辿り着いた方も多いのではないでしょうか。

DRMとは、日本語で「デジタル著作権管理」と呼ばれています。これは動画・音声・電子書籍データなどを含むデジタルコンテンツの著作権を保護し、違法コピーや意図しない視聴再生を制限する技術を指します。

▼あわせて読みたい「DRMとは?」

これだけを見ると「動画コンテンツの保護=DRMが必要」と思われるかもしれません。しかしながら、実際は動画のコンテンツ保護には種類があり、どのくらいの保護強度が必要なのかを見極める必要があります。

有料動画配信プラットフォームが対応できる動画コンテンツの保護の種類とその方法を解説します。

2. 動画コンテンツ保護の種類

動画コンテンツ保護の種類その1:松(保護強度:高)

動画コンテンツ保護技術の内、特に強度が高く、業界団体から公的に認定された特定の技術やソリューションがDRMと呼ばれます。例えば、Google Widevine、Microsoft PlayReady、Apple FairPlay Streamingなどが該当します。

各DRMベンダーが独自に開発した技術に基づき、動画コンテンツ配信をエンド・ツー・エンドで保護します。現在流通している動画コンテンツ保護の仕組みの中で、最も強度が高いとされています。

どのような仕組か?

動画コンテンツを配信する前に、動画データをインターネットでの配信に適した方式に変換し、暗号化します。一般的に、この処理はDRMパッケージングなどと呼ばれます。

動画コンテンツが配信される際には、視聴端末に事前に組み込まれたDRMクライアントと呼ばれる専用のハードウェアやソフトウェアにより、DRMパッケージングされた動画コンテンツがDRMライセンスと呼ばれる復号鍵とともに処理され、再生されます。

DRM技術による動画コンテンツ保護は、ハリウッドのメジャースタジオの映画・ドラマ・ミュージックビデオなどといった著作権保護がより重要とされる動画コンテンツを中心に使用されています。

一方で、DRM技術を利用するためには、専用システムの導入や特殊な実装が必要となる場合がほとんどで、昨今のDRM技術の普及に伴い緩和されて来てはいるものの、一般的に、導入や運用により多くの費用がかかります。また、DRM技術の性質上、セキュリティを担保するために、対応する視聴端末やブラウザ・ソフトウェアが限定され、著作権保護が視聴者のユーザビリティとのトレードオフとなる場合もあります。

動画コンテンツ保護の種類その2:竹(保護強度:中)

インターネットの動画配信で現在主に利用されているApple HTTP Live StreamingにAES-128の暗号化を組み合わせた動画コンテンツ保護が該当します。

多くの有料動画配信プラットフォームに標準装備され、導入や運用に多大な費用や複雑な実装を必要とせずに一定のセキュリティを担保できるため、多くのサービスで利用されています。

どのような仕組みか?

動画コンテンツを配信する前に、規定された仕様に則り動画データを暗号化します。

視聴端末では、暗号化された動画データとともに対応する復号鍵を受信し、規定された仕様に則り復号化することで、動画コンテンツが再生されます。

Apple HTTP Live StreamingとAES-128暗号化の組み合わせによる動画コンテンツ保護は、アーティストの音楽ライブ・クラシックのコンサートなどのエンタメ系コンテンツ、記者発表会・決算説明会などのIR情報系コンテンツ、授業・セミナーなどの教育系コンテンツ、野球・マラソンなどのスポーツ系コンテンツといった一般的にセキュリティ対策が必要とされる動画コンテンツの多くに使用されています。そのため、昨今使用される動画コンテンツ保護の方法としては主流と言えるでしょう。

一方で、その仕組みがオープンであることに起因して、一定の専門知識や特殊なツールを用いて暗号化された動画データが解読されてしまうリスクもDRMに比べると高くなります。

3. 無料動画配信プラットフォームの動画コンテンツ保護

ここまでで有料動画配信プラットフォームが対応可能な動画コンテンツ保護について解説しました。では、無料動画配信プラットフォームの動画コンテンツ保護はどうなのか、気になる方も多いと思います。

YouTubeなどの無料動画配信プラットフォームでは、前章で説明したようなコンテンツ保護が実装されていないため、有料動画配信プラットフォームと比べると、動画コンテンツ保護の強度としては弱いと言わざるを得ません。また、検索エンジンで検索すれば、専門的な知識がなくても、動画をダウンロードする方法やそのためのツールなどの情報を簡単に入手することができるようです。

そもそも無料動画配信プラットフォームは、企業・個人を問わず広告・宣伝などを目的に、広くあまねく多くのユーザーに対して動画コンテンツが共有・拡散されることを主目的としている場合がほとんどです。つまり、あえて動画コンテンツ保護の強度は重視せず、本来のサービス目的に適したセキュリティ対策を実施しているということになります。

4. 自社の動画配信サービスに合ったセキュリティ対策を実施しよう

企業が動画配信を行うに当たり、より高度な動画コンテンツ保護を目的としたセキュリティ対策を実施したいと思うのは当然です。しかしながら、セキュリティ対策を重視するあまり「動画配信サービスに係る手間や費用が必要以上にかさんでしまった」「ユーザーからサービスの使い勝手が良くないと言われた」などとならないよう、費用対効果を含めた検討が必要になります。

検討にあたり、自社の動画コンテンツを保護するためにどのくらいの強度が必要なのか、調べてみてもなかなかピンと来ないかもしれません。そういう場合は、動画配信プラットフォーム提供企業に相談してみるのも良いと思います。

他社の事例などをもとに適切なセキュリティ対策を提案してもらい、自社の動画配信サービスに合った対策を実施していきましょう。

Author
おむらいす

聞き慣れないカタカナやalphabetの専門用語に頭を悩ませながら働く中、ある日突然、ブログ運営を任命された編集長。
運営とあわせて絶賛業界勉強中、かつ業界に詳しくない人にも分かりやすいブログを目指して奮闘中。

2018年=入社。初の動画配信プラットフォーム業界入り。
2019年=少しずつ。専門用語や動画配信にかかわる機能や仕組みを覚え始める。
2020年=なんとか格好がつくようになる。"新米"編集長を卒業する。

入門
ULIZAブログ