エンタメ系SVOD以外も!?動画配信収益モデルのあれこれ(後編)

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前編の記事では、実際の動画配信サービスとあわせて動画配信に係る代表的な収益モデルについて紹介しました。

▼前編はこちら

今回は後編として、エンタメ系以外の収益モデル事例を紹介しつつ、最近になって勢いをつけてきたモデルについてお伝えします。

1. エンタメ系以外の代表的な収益モデルの事例

ここまでエンタメ系を中心に解説をしましたが、もちろん他の分野でも動画を利用した収益モデルの確立が進んでいます。どのような事例があるのか、いくつか紹介します。

教育とSVOD

教育の分野では、ここ数年にわたり動画配信の活用がますます広がっています。

同分野では、塾生・学生などの生徒またはその保護者が支払う月謝・年間授業料などの学費が主な収益源となりますが、少子化による生徒の母数の減少を背景に、市場競争は激化の一途をたどっています。そのような状況の中、市場での競争優位性を保つためにSVODの動画配信を積極的に取り入れる学習塾・通信教育事業者などの企業や高校・大学などの学校が増加しています。従来の月謝・年間授業料と類似する収益モデルであるSVODは、教育の分野との親和性が高く、動画配信の普及に伴う同分野への浸透は必然といえるでしょう。

パソコン・スマートフォンへの動画配信の利用により、授業を提供する企業や学校にとっては、全国または全世界に向けた地域格差のない授業の提供による生徒の母数拡大が可能になります。加えて、教室での授業に出席できなかった生徒が後から動画で授業を受けられるようなケアや多忙なカリスマ講師の授業動画の配信などで、競争優位性の維持や向上を図ることもできます。また、授業を受ける生徒は、いつでもどこでも授業を受けられることはもとより、倍速再生による時短学習、バックグラウンド再生による移動中の学習、チャプタリングによる効率的な復習、しおり機能による都合に合わせた授業の中断や再開、語学学習に最適な多言語字幕、補足情報のためのテロップなど、動画配信に特有の多くの利便性を享受できます。もちろん、SVODなので安心して何度でも授業を受けられます。

報道・ニュースとAVOD

報道・ニュースでも、動画配信の活用が増えています。

民放局では、テレビで放送するCMの出稿料が主な収入源となりますが、インターネット利用時間の増加に伴う日本全体の視聴率低下を背景に、その市場規模は縮小が始まっています。

【参考】総務省 平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

そのような状況の中、新たな視聴層を獲得するために、エンタメ系コンテンツだけでなくニュースもAVODとして動画配信する民放局が増加しています。民放局の従来の収益モデルと酷似するAVODが、動画配信の拡大とともに普及することは当然といえるでしょう。

一方、新聞業界では、従来の主な収益源である購読料だけでなく、ニュース動画の制作に力を入れることでAVODの動画配信を自社サービスに導入し、動画広告の出稿料を新たな収益源に加える新聞社も増加しています。

AVODを導入することで、民放局・新聞社にとっては、ユーザーセグメントやユーザー行動のトラッキングに基づくターゲティング配信やネットワーク広告の利用が可能になるなどの利便性を享受できます。また、視聴者・購読者にとっては、動画広告のターゲティングや配信頻度の制御、スキップ機能などにより、煩わしさが少なくなるという利点があります。

2. 新進気鋭の収益モデル

代表的な収益モデルとは別に、最近になって大きく存在感が増してきたモデルがあります。それは「投げ銭ライブ」などと呼ばれます。

SHOWROOM・17 Liveのように基本的には無料で視聴でき、ライブ内容などを気に入ったり応援したい場合には、任意でその気持ちを形にしてお金を支払うサービスです。

もともとは自撮り文化が盛んだった中国で流行し、日本では2010年代に、気軽に見に行ける出演者と観客がコミュニケーションを楽しめる仮想的なライブハウスなどの位置づけで登場しました。現在では社会現象といわれるほど世界中で普及してきています。

配信者と視聴者がリアルタイムで双方向性のあるコミュニケーションを取ることができます。例えば、夢に向かって努力する配信者に気持ちを込めた応援を形にして送ったり、ファンである視聴者同士もコミュニケーションを取りながら、一体感を持ってライブを盛り上げたりできます。そして時には、視聴者自身が主役のひとりとして、ライブを盛り上げることもでき、より距離感の近い視聴体験が可能となります。

多くのサービスでは入場料は無料に設定されており、視聴者から配信者への投げ銭や視聴者間の投げ銭の手数料がサービス提供企業の主な収益となりますが、事前に固定額を支払うことでファンクラブに加入して、特殊なギフトやコメント機能を利用できるなどの特典が付与されるサービスも登場しています。視聴者が配信者を応援する気持ちを形にすることによりサービス提供企業は収益を得ることができ、その収益を還元するという形で配信者も利益を得ることができます。最近では、エンタメ系に留まらず、スポーツチームや選手の応援に応用するサービスも登場しており、今後ますます発展する兆しがあります。

3. 各収益モデルの特長を知って自社サービスを盛り上げよう!

実際の動画配信サービスや事例を加えて解説しましたが、どのサービスも自社サービスの特色を生かせる収益モデルで運営しているように見受けられます。また、こうして各収益モデルを比較することで、自社サービスに適応する特長を持つモデルを再確認できるのではないでしょうか。

とはいえ、全てを自社で検討して対応するには膨大な時間が必要になってしまうかもしれません。専門家である動画配信プラットフォーム提供企業であれば自社の特色に合わせたカスタマイズなどの提案も可能なので、相談してみるのも良いかもしれませんね。

Author
おむらいす

マーケティング・セールス部所属。
聞き慣れないカタカナやalphabetの専門用語に頭を悩ませながら働く中、ある日突然、ブログ運営を任命された新米編集長。
運営とあわせて絶賛業界勉強中、かつ業界に詳しくない人にも分かりやすいブログを目指して奮闘中。

2018年=入社。初の動画配信プラットフォーム業界入り。
2019年=少しずつ。専門用語や動画配信にかかわる機能や仕組みを覚え始める。

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