今のうちに!知っておきたい動画広告のハナシ(後編)

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前編の記事で、動画広告とは何か、どんな種類や手法があるのかなどを紹介し、動画広告の市場規模は拡大が続く予測があることをお伝えしました。

▼前編はこちら

今回は後編として、なぜ動画広告が注目されているのか、最近よく目にする動画広告についてなど、より具体的に動画広告についてご紹介します。

1. なぜ動画広告が注目されているのか

なぜ急速に動画広告の需要が増え、注目を集めているのでしょうか。それは「若者のテレビ離れ」「スマートフォンの普及」「SNSによる動画広告の拡大」といった要因が挙げられます。

若年層のテレビ離れ

若年層のテレビ離れの傾向を踏まえて、若者をターゲットとしている企業を中心に、テレビCMだけではなくインターネット上の動画広告に目を向け始めました。

日本人全体のテレビ視聴の平均利用時間は2010年頃から減少傾向にあり、特に10代・20代はインターネットの平均利用時間がテレビ視聴時間を上回るという調査結果が総務省より発表されています。

【参考】総務省 平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

スマートフォンの普及

スマートフォン普及率の上昇にともない、日常的に動画コンテンツを視聴する人も増加しています。最近のスマートフォンは高品質な動画コンテンツの再生に対し、無線LANを利用すればストレスも感じません。

中にはスマートフォンに合わせた縦型の動画フォーマットも増えていることから、動画コンテンツはモバイルファーストを重要視しているとも言えるでしょう。

スマートフォン向けの動画広告にはアプリのインストール促進、ECサイトをはじめとしたインターネット商材の購買促進などのような「獲得系広告」と呼ばれる、ダイレクトレスポンスを目的とした出稿需要も増加しています。

SNSによる動画広告の拡大

YouTubeだけではなく、最近急速に広がっているのがFacebookやInstagramを始めとしたSNSメディアでの動画広告です。

動画広告は「シェア」や「いいね」などとの相性が良く、一瞬で多くの人に認知させることも可能なため、広告主にとっては有望なメディアとして期待が寄せられています。

2. インストリーム広告の種類

最近よく目にするインストリーム広告は、動画広告が表示されるタイミングにより、「プリロール広告」「ミッドロール広告」「ポストロール広告」の3つの種類があります。

プリロール広告

プリロール広告は、動画コンテンツの再生前に表示される動画広告です。広告再生から数秒経った後にユーザーが視聴選択できる「スキッパブル動画広告」と、強制的に視聴させる「ノンスキッパブル動画広告」の2種類があります。

プリロール広告の特徴としては、動画コンテンツの視聴前に広告を表示するため、視聴される可能性が高いことが挙げられます。

ミッドロール広告

ミッドロール広告は動画コンテンツが再生されている途中で表示される動画広告です。本編視聴中に表示されるので離脱の可能性が低いことが特徴です。

ポストロール広告

ポストロール広告は動画コンテンツの終了後に表示される動画広告です。本編の視聴を妨げることがないので視聴者にストレスを感じさせないことが特徴です。

しかし、視聴者の関心を強く引かないと、本編から継続して視聴されない可能性が高いというリスクがあります。

3. インストリーム広告の挿入方法

インストリーム広告を挿入するためにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは2つの方法についてご紹介します。

サーバーサイド広告挿入

サーバーサイド広告挿入は、英語でServer-Side Ad Insertionと書き、頭文字を取ってSSAIとも呼ばれます。

動画コンテンツと動画広告を紐づけることによって、動画視聴者が広告表示をブロックしている場合でも、表示させることが可能となります。

デメリットとしては、詳細な効果測定など動画広告特有の一部の技術や、ユーザーにクリックやマウスオーバーなどのアクションを促す仕掛けを設定できるインタラクティブ動画広告が利用できないため、比較的単純な技術を利用した動画広告の配信となってしまいます。

クライアントサイド広告挿入

クライアントサイド広告挿入は、英語でClient-Side Ad Insertionと書き、頭文字を取ってCSAIとも呼ばれます。

現在のインストリーム広告の主流となっている方式であり、インタラクティブ動画広告も利用できます。

VPAID(Video Player-Ad Interface Definition:オンライン広告の業界団体が規定した、よりリッチな表現を可能にする動画広告の規格のこと)はサーバーサイド広告挿入では対応していないため、クライアントサイド広告挿入を利用することで、変化が激しい最新の動画広告配信における技術にも対応可能となります。

デメリットとしては、広告表示をブロックをしている場合に表示されないケースが見受けられます。

4. 動画広告のマネタイズは使い分けが重要に

以上、前編と後編に分けて、動画広告についてご紹介しました。

動画広告市場は今後も規模拡大が見込まれていることから、ますます注目度が高くなっていくことは間違いありません。動画広告にはさまざまな種類があり、その内容やターゲットによって使い分けて最適な効果を目指していきましょう。

また、マネタイズに力を入れる場合、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて適切な方法を検討することをお勧めします。いずれかの方法が必ず良いというわけではありませんし、中には複数の組み合わせで運用している企業もありますので、ぜひこの記事と一緒に参考にしてみてはいかがでしょうか。

Author
おむらいす

聞き慣れないカタカナやalphabetの専門用語に頭を悩ませながら働く中、ある日突然、ブログ運営を任命された編集長。
運営とあわせて絶賛業界勉強中、かつ業界に詳しくない人にも分かりやすいブログを目指して奮闘中。

2018年=入社。初の動画配信プラットフォーム業界入り。
2019年=少しずつ。専門用語や動画配信にかかわる機能や仕組みを覚え始める。
2020年=なんとか格好がつくようになる。"新米"編集長を卒業する。
2021年=動画配信プラットフォーム業界の人っぽくなる。

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