動画配信あるある専門用語集~入門編~

入門

これまでの記事の中には、動画配信に関する様々な専門用語が登場してきました。記事内容の理解をより深めるために、ここで今まで出てきた基本的な専門用語の整理と解説をしていきます。

1. 機能と仕組みの専門用語

動画配信プラットフォーム

インターネットで動画コンテンツを配信するために使用されるシステムを指し、YouTubeのような無料の動画配信プラットフォームやNETFLIXのような有料動画配信プラットフォーム、またULIZAのような企業向けの有料動画配信プラットフォームも存在します。

無料動画配信プラットフォームは、ターゲットを特に指定せず動画を拡散したい場合に利用されます。

有料動画配信プラットフォームは、会員管理機能や決済連携機能を利用して有料で視聴する動画配信や、不正ダウンロードへの対策などデジタル著作権を管理して動画配信をしたい場合に広く利用されます。

ULIZAのような企業向けの動画配信プラットフォームは、企業が社内外に向けて動画配信する場合に利用され、社内限定配信や会員限定配信など、クローズドな配信を行う場合に利用されます。

企業向けの動画配信プラットフォーム「ULIZA」についてもっと知りたい方は、こちらからお問合せください!

コンテンツ管理

動画のアップロード、動画のエンコードや暗号化処理の状況確認、配信可能な動画の一覧表示や配信設定、動画のプレビュー、プレイヤータグの発行など、動画配信サービスの運営に必要な一連の機能または運用を指します。

エンコード

動画のサイズを圧縮したり、TVやインターネット上で視聴できるデジタル信号の動画形式に変換する処理を指します。

エンコードは、動画を視聴者側に最適なファイルサイズと変換形式で届けること、配信側のコストやインフラ負荷を減らすことの両面から重要な役割を担います。

トランスコード

エンコードした動画を元のデータに戻さずデジタル信号のまま別の形式に再エンコードする処理を指します。

広義には、エンコード処理を含む場合もあります。

フレームレート

動画は、フレームと呼ばれる静止画像のコマが連続して表示されることで流れるような映像となって見える仕組みになっています。

1秒間に何枚のフレームが使われているかを指すのがフレームレートです。

Frames Per Secondの頭文字を取ってfpsと表記されることもあり、例えば30fpsであれば、動画1秒間に30コマ含まれているという意味です。フレームレートが多くなれば映像はなめらかになりますが、その分ファイルサイズは大きくなります。

解像度

動画のフレームに含まれるピクセルと呼ばれる画素の数を指し、一般的に横×縦のピクセル数で表記されます。ピクセル数が大きいほど動画の解像度は高くなり、動画がどれだけ鮮明に見えるかは解像度の高さで決まります。

8K(7,680×4,320)、4K(3,840×2,160)、Full HD(1,920×1,080)、HD(1,280×720)などの解像度が標準的に利用されますが、スクエア動画や縦長動画などの従来にはない縦横比率の動画も普及し始めています。

コーデック

動画に含まれる映像データや音声データのエンコードをするプログラムを指し、それぞれ、映像コーデック、音声コーデックと呼ばれます。動画ファイルごとに格納できるコーデックが決まっています。

代表的なコーデック

映像コーデック: MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4 Visual、H.264/MPEG-4 AVC、H.265 など
音声コーデック: AAC、HE-AAC、MP1、MP2、MP3、MPEG-4 ALS、TwinVQ、CELP など

ビットレート

1秒間に送信されるデータ量を表し、Bits Per Secondの頭文字を取ってbpsと表記されることもあります。

ビットレートが高ければ高いほど画質や音質が向上しますが、その分ファイルサイズも大きくなります。

コンテナ

映像データや音声データをまとめて一つの動画ファイルに格納するための形式を指します。

代表的なコンテナには、MP4、MPEG-2 TS、FLVなどがあり、格納される映像データや音声データのコーデック、配信方式などに応じて決定または選択されます。

CDN

Content Delivery Network の頭文字を取った略称で、インターネット上で安定したコンテンツの配信を効率的かつ高いパフォーマンスで行うために開発された技術や仕組みを指します。

CDNを利用する大きなメリットとして、動画配信の安定化と高速化、サーバの負荷分散を実現でき、大量配信や高速配信に対応できるようになったことが挙げられます。

オリジンサーバー

オリジナルの動画を保管しているwebサーバーのことを指します。

動画配信のおおもとのサーバーとなるため、オリジンサーバーが稼働していることがサービス提供を行う上で大前提となります。

エッジサーバー

世界中に張り巡らされた専用のネットワーク上にあるサーバーのことを指します。

オリジンサーバーからエッジサーバーにキャッシュと呼ばれる一時的な保存データを作成することで、利用者や端末の近くに設置されたエッジサーバーから動画を配信できるようになります。

DRM

Digital Rights Managementの頭文字を取った略称で、日本語ではデジタル著作権管理と呼ばれます。

動画コンテンツなどのデジタルコンテンツの著作権を保護するために、著作者の意図しない利用を制限する技術や仕組みを指します。

DRMを用いることで、動画コンテンツの違法コピーを防ぐ一定の期間しか視聴できないように制限するなどの制御が可能となります。

暗号化配信

DRMの例の一つで、動画コンテンツの不正利用を防止するために、動画を暗号化し、再生時に暗号を解除しなければ視聴できないようにする仕組みを指します。

仮に動画をコピーしても、復号キーがなければ再生することはできません。

Huluなどの有料の動画配信サービスでこの方法が使われています。

プレイヤータグ

PCやスマートフォン、タブレットなどの再生環境に合わせた最適な設定のメディアプレイヤーを自動的に表示するHTMLやJavaScriptのタグを指します。

多くの動画配信プラットフォームでは、プレイヤータグを設置するだけで簡単に動画配信ができるようになります。

動画視聴ログ

視聴者による動画コンテンツへのアクセスの記録やその統計レポートを指します。

再生開始数、平均視聴時間や総視聴時間などと、時間帯、コンテンツのタイトル、視聴しているブラウザ、地域、OSなどの組み合わせに基づき定量化される統計レポートは、マーケティングや動画コンテンツ制作の最適化などを目的とした視聴動向分析に利用されます。

API

Application Programming Interfaceの頭文字を取った略称で、アプリケーションやソフトウェアとプログラムを繋ぎ、プラットフォームが持つ機能を外部から手軽に利用できるようにする仕組みを指します。

APIを利用すれば、他のシステムとの連携も容易となります。

2. 配信方式の専門用語

ストリーミング配信

動画のデータをダウンロードしながら同時に再生する方式のことを指します。

全データのダウンロードを待たず、すぐに動画コンテンツを視聴することが可能となるため、インターネット上のライブ配信にも利用されます。

オンデマンド配信

VOD配信とも呼ばれ、あらかじめアップロードされた動画コンテンツを視聴者の再生リクエストに応じてストリーミング配信する配信方式を指します。

「SVOD(定額制動画配信)」「TVOD(都度課金型動画配信)」などの動画配信サービスの配信方式として広く普及しています。

「SVOD」「TVOD」についてはこちらの記事をご覧ください。↓

ライブ配信

撮影した映像をリアルタイムでストリーミング配信する配信方式を指します。

オンデマンド配信と並び、アーティストのライブ、スポーツ中継、Webセミナーやオンライン授業、テレビ放送の同時配信などの配信方式として広く普及しています。

HLS

HTTP Live Streamingの頭文字を取った略称で、Appleにより開発されたストリーミング配信を行うための規格を指します。

以下のような利便性から、配信プロトコルの事実上の標準となっています。

  • 汎用的なWebサーバからストリーミング配信できる
  • オンデマンド配信とライブ配信の両方に対応している
  • 暗号化配信に対応している
  • 通信状況に応じて自動的に最適な品質の動画が選択される性質を持つ
  • 多くの端末やメディアプレイヤーと互換性がある など

 

意味が分かれば専門用語も怖くない!

動画配信のみにかかわらず、そもそも専門用語の意味を知らなかったために、説明を受けても理解し切れなかった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回、動画配信にまつわる専門用語を整理したことで、ここまでの記事をもう一度読み返してみると、最初よりも内容が分かりやすくなっているかもしれません。

整理した専門用語は、以下の記事から抜粋しています。お時間のあるときに、ぜひ読み返してみてはいかがでしょうか。

詳しくは・・・