新しく動画配信を始めるにあたり、複数の動画配信プラットフォームの情報収集をされている方も多いと思います。比較検討の材料として、動画配信プラットフォームの機能はもちろん、利用に係わる費用も気になるところですよね。
今回は、有料動画配信プラットフォームの基本的な料金体系を説明し、動画配信に特有の料金項目である「ストレージ容量」「配信流量(データ転送量)」について解説していきます。
1. 有料動画配信プラットフォームの料金体系
有料動画配信プラットフォームの多くの料金体系は月額制で、固定費分と従量費分に分かれています。
固定費には、配信に必要となる基本的な機能に係わるシステム利用料などが含まれており、どれだけ配信プラットフォームを利用しても、費用の変動はありません。
一方で、従量費には、算出の基準となる項目に単価が定められており、再生回数や視聴人数など実際のユーザーの利用量に応じて費用が変動します。
従量費の算出基準となる項目は、動画配信プラットフォーム提供企業や契約プランにより異なりますが、よく目にする項目といえば、「再生回数」「視聴人数」「動画登録本数」「ストレージ容量」「配信流量(データ転送量)」あたりではないでしょうか。
例えば、「再生回数」「視聴人数」「動画登録本数」であれば、「サービス全体で月間3,000人程度のアクセスが見込め、毎月2本ずつ新しい動画コンテンツを配信する」というように、動画配信の企画段階における想定値を当てはめることで、従量費の概算を算出することができます。
また、「ストレージ容量」「配信流量(データ転送量)」については動画配信特有の項目であり、それが一体どういうものなのか、どのように算出するものなのか想像しにくいかと思います。
ここからは、そんな「ストレージ容量」と「配信流量(データ転送量)」について、解説していきます。
2. 蓄積データ容量(ストレージ容量)とは?
ストレージ容量とは、様々な配信方式の動画コンテンツを専用のストレージに保管した際に蓄積されるデータサイズを指します。そのため、ストレージに保管する動画コンテンツ数が増えれば増えるほど、それに応じてストレージ容量も増加します。
では、1本の映画をストレージに保管すると、どのくらいの容量が蓄積されるのでしょうか?
ストレージ容量は、保管する動画コンテンツの「画質」と「動画尺」によって計算されます。
今回は、細かい計算方法については省略しますが、例えば2時間尺の映画1本を保管した場合、「画質:4Mbps」と「動画尺:2時間」という情報から、約4GBのストレージ容量となります。
3. 配信流量(データ転送量)とは?
配信流量とは、再生を開始した視聴者の端末に向けて動画コンテンツが配信される際に発生するデータの流量を指します。そのため、再生回数が増えれば増えるほど、また、配信する動画コンテンツのデータサイズが大きければ大きいほど、それに応じて配信流量も増加します。
では、1本の映画を配信すると、どのくらいの配信流量が発生するのでしょうか?
配信流量は、配信される動画コンテンツの「画質」「動画尺」「再生回数」から計算されます。
配信される動画コンテンツが初めから終わりまで全て視聴された場合、その配信流量分がまるっと配信流量として発生します。
ここでも、細かい計算方法については省略しますが、例えば2時間尺の映画1本が1,000回完視聴された場合、「画質:4Mbps」「動画尺:2時間」「再生回数:1,000回」という情報から、約4,000GBの配信流量となります。
昨今主流のストリーミング配信の場合、動画プレイヤーは動画コンテンツのデータを適宜取得しながら再生を行います。そのため、今まで例として挙げた2時間尺の映画1本が全て視聴された場合には2時間分の約4GBが、半分まで視聴された場合には1時間分の約2GBがデータ転送量として発生します。
実は、1回再生されたからといって、必ずしも動画コンテンツのデータ容量分がまるっとデータ転送量として発生するわけではないのです。少々ややこしい話ですが、想定外の従量費を発生させないという観点では、最初から最後まで視聴される想定で計算し、おおよその最大値を見込んでおく方が良いかと思います。
4. 画質(解像度と配信ビットレート)の参考値
ここまででストレージ容量と配信流量について、それがどういったものか、どのように算出されるかの概要を見てきました。しかしながら、「計算方法は分かったけど、肝心の画質にどんな配信ビットレート値を当てはめればいいかよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
配信ビットレートが高ければ高いほど画質は向上しますが、その分動画コンテンツのデータサイズも大きくなり、視聴環境によってはスムーズに再生しにくくなる可能性もあります。また、なるべく綺麗な映像を視聴してもらおうと配信ビットレートを高くした場合でも、元々の動画の解像度が低ければ、画質の向上には至りません。そのため、動画配信には、動画コンテンツの内容に適した解像度と配信ビットレートの設定が必要となります。
参考までに、動画コンテンツの内容別に、ULIZAのお客様の多くがよくご利用されている解像度と配信ビットレートの設定値をお教えします。こちらを元に、動画コンテンツの画質をどのように設定するか、読者の皆さんのお役に立てればと思います。
5. 実際に計算してみよう!
ここまで読めば、蓄積データ容量とデータ転送量の算出に必要な値は、なんとなく想定できるようになったかと思います。
あとは、その想定値を計算するだけ!
どなたでも簡単に目安が算出できるツールがございますので、ぜひご活用ください。
※当該計算はあくまで目安となりますので、あらかじめご了承ください。
※当サイトの情報は予告なしに変更されることがあります。
6. 自社の動画配信に適した契約内容であるか確認してみよう
今回の記事で、「ストレージ容量」と「配信流量(データ転送量)」について理解を深めていただくことができたでしょうか?
せっかく動画配信を始めたのに「従量制で思わぬ費用がかかった…」「実際の利用に見合わない大きなプランを契約してしまっていた…」となっては、安心して配信を続けにくいですよね。
冒頭でもお伝えした通り、動画配信プラットフォーム提供企業や契約プランごとに様々な料金体系が設定されているので、これから動画配信を始める方も既に始められている方も、改めて自社の動画配信に適した契約内容であるかをご確認いただくと良いかもしれません。
動画配信プラットフォーム「ULIZA」の料金体系はこちらから!
詳しい料金についてはこちらからお問合せください。