教育・資格系の動画活用について語る(前編)

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昨今では、映画・ドラマなどのエンタメ系の配信以外にも、動画が活用されている場面をよく目にします。写真や文字と比較すると動画はその動きにより、人の目を惹きやすい、イメージを伝えやすいといったメリットがあると一般的に言われています。

果たして、多くの企業が動画活用を始めているのは、一般的なメリットだけが理由なのでしょうか?

実は、動画には分野ごとに得意とする活用法もあります。今回は教育・資格系の分野について、どんなメリットがあるのか、なぜ動画を活用するのかをご紹介します。

1. 教育・資格系の分野における動画活用の沿革

動画活用前のビジネススタイルと学習スタイル

動画配信がまだ一般的ではなかった1990年代頃、教育・資格系のビジネス・学習スタイルといえば教室にて、対面式で授業を行うことが主流でした。当然、生徒を増やすためには立地の良い教室を持ち面を広げることが必要になり、事業拡大とともに教室の維持に係る負担も比例することが課題でもありました。また、生徒にとっても自身の通える距離にある教室しか選べることができず、当時の教育は地域差が出やすくもありました。

その一方で、教室に通うことが難しい、または教室を持つことが難しい地域に住む生徒には、自宅学習用のドリル・ワークブックや映像ソフト、手紙のようにポストに投函して添削・指導を行う郵便での通信教育などによる、教室を持たないビジネススタイルの授業も行われていました。その他にも、一部の授業を提供する企業では、特定の講師の授業や夏期講習といった通常の授業とは異なるイベント型の授業を通信衛星や専用回線を利用して行う、当時としては画期的だった遠隔授業を始めていました。

インターネットやデバイスの発展による変化

2000年代頃から徐々にインターネットの発展が進み、2004年に光回線サービスが開始されました。当時はパソコンでのストリーミング環境があまりなく、2007年に日本語版のYoutubeが開始されましたが、ダウンロードと併用したプログレッシブダウンロードと呼ばれる半ストリーミング配信だったため、画質や通信速度は現在のように満足のいくものではなく、また、コンテンツ保護の面でも問題がありました。

翌年2008年には、AppleのiPhone 3Gが販売され、初の汎用的なストリーミング配信に対応可能なスマートフォンが登場し、2009年には、AppleからHTTP Live Streamingのドラフトが公開されるなど、動画配信の土台ができました。

2010年頃には、動画配信に適したデバイスや環境が整い、動画配信は急速に普及しました。それ以前は、配信環境と受信デバイスを自社で準備する必要があり、ストリーミング配信をするためにはさらに高価な環境を必要とすることもあり、そのことが多くの企業にとって動画配信への参入障壁となっていましたが、以降は動画配信を行う企業が増え、その波は教育の分野まで広がりました。

その結果、教室の有無に縛られることのない、動画配信ならではの利点を生かした新しいビジネス・学習スタイルが登場しました。

動画活用後のビジネススタイルと学習スタイル

今では、個人でのスマートデバイスの所有も増え、それらへの動画配信の活用により、授業を提供する企業や学校にとっては、教室や地域に縛られない全国または全世界に向けた地域差のない授業の提供が可能になり、生徒の母数拡大を図ることもできます。さらに、補習授業として、教室での授業に出席できなかった生徒のための授業動画配信といったケアや多忙なカリスマ講師の授業動画配信などで、競争優位性の維持や向上が可能になります。

生徒にとっては、バックグラウンド再生による移動中の学習やしおり機能によるレジューム再生など、場所に捕らわれず手軽に授業を受けられることはもとより、倍速再生による時短学習、チャプタリングによる効率的な復習、多言語字幕による語学学習、テロップによる補足情報など、動画配信に特有の多くの利便性を享受できます。サービスによっては何度でも視聴が可能なため、同じ授業を繰り返し受けることによる学習の手助けにもなります。

その他にも、テレビを利用した動画活用例があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2. 動画活用によるメリット

では実際に、教育・資格系の分野において動画を活用すると、どのようなメリットが受けられるのでしょうか?

授業を提供する企業や学校側

・時間や場所に制限がない
既存のビジネススタイルと比べて、授業の時間割に合わせて教室へ移動する必要がありません。時間や場所への制限をなくすことで、講師のスケジュール調整が柔軟になります。また、一度動画コンテンツを制作すれば、何度も同じ授業を行う必要がありません。

・ボーダーレスな授業を提供できる
対面式の授業ではどうしても場所に縛られてしまいがちですが、インターネットを介することで、全世界ほとんどの地域に授業の提供が可能になります。

・授業内容の質を統一できる
一つの動画コンテンツを共有することで、教室による授業内容の差を解消し統一できます。

・細かいニュアンスが伝えやすい
対面式の授業と同じように講師の表情や動作も確認できるため、教科書・参考書で解説するよりも、より細かなニュアンスを伝えることができます。

授業を受ける生徒側

・時間や場所に制限がない
授業を提供する企業や学校側と同じように、既存のビジネススタイルと比べて時間割や教室に制限がないため、自身のスケジュールに合わせて好きな場所で学習できます。

・使い慣れたデバイスを利用して学習できる
自身のパソコン・スマートフォンといった普段から使い慣れているデバイスで授業を受けられるため、教材管理の煩雑さの軽減にも繋がります。

・自身のペースで学習できる
授業で分からない箇所があれば納得するまで授業を見返すことができ、さらには学習環境も選べるため、自身のペースでじっくりと学習ができます。

・授業内容の質が統一される
インターネットを介することで遠方の講師の授業でも受けることが可能になり、また授業内容も統一されるため、生徒全員が同じ授業を受けることができます。

・記憶に残りやすく理解がしやすい
ただ、教科書・参考書で学習するよりも視覚・聴覚で授業を受けることにより、より記憶に残りやすく理解がしやすくなります。

3. 身近になった動画配信の活用方法とは

ここまでで、教育・資格系の分野において、動画活用に至るまでの経緯やどのようなメリットを享受できるかをお伝えしました。

インターネットやデバイスの発展により動画配信は大きな変化を遂げ、今では私たちのライフスタイルにとても身近に寄り添っていると言っても過言ではありません。とはいえ、動画配信を検討する方にとってはどのような活用方法があるのか、既に動画配信をしている方にとっては適切に活用できているか、なかなか分かりづらいかもしれません。

後編では、デメリットとその解消方法も含めて、動画配信の機能まで踏み込んだより具体的な活用方法についてご紹介します。この記事を通して、少しでも読者の皆さんの疑問にお答えできればと思います。

Author
おむらいす

マーケティング・セールス部所属。
聞き慣れないカタカナやalphabetの専門用語に頭を悩ませながら働く中、ある日突然、ブログ運営を任命された新米編集長。
運営とあわせて絶賛業界勉強中、かつ業界に詳しくない人にも分かりやすいブログを目指して奮闘中。

2018年=入社。初の動画配信プラットフォーム業界入り。
2019年=少しずつ。専門用語や動画配信にかかわる機能や仕組みを覚え始める。

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